日本建築の奥深さと現代デザインへのつながり

日本建築に触れると、不思議と懐かしさを感じることがあります。襖を開ければ空間がつながり、外と内が自然とつながるような空間。そこで過ごしたことが無いのに、なぜノスタルジックな気分になるのでしょうか。
たとえその建築文化の中で育っていなくても、どこか心に響く感覚。それは、日本の建築が持つ“奥ゆかしさ”と、素材や空間の繊細な組み合わせによって生まれるからだと思います。
素材の組み合わせが生む美しさ
最近、インバウンドで観光客が多く訪れたことにより、「私、やっぱり日本(日本人)大好きだ」と再確認しました。そこでもっと自国について勉強したくなり、最近は日本建築の本を読んでいます。
日本建築では、木・紙・石・土といった自然素材が絶妙に組み合わされ、空間に温かみと静けさをもたらしていると私は思います。
例えば、木の梁と漆喰の壁、障子の柔らかい光と畳の触感。この組み合わせの妙は、単なる装飾ではなく、暮らす人の感覚に寄り添うための知恵でもあり、こうした素材の“掛け合わせ”の発想は、私が手がけるVOULOIR DESIGNのインテリアにもきちんと落とし込んでいきたいと思いました。
自然素材を生かしながら、現代の生活にフィットする空間をつくることは、日本建築が培ってきた思想の現代的応用だと言えるでしょう。
明治時代からの建築家の歩み
興味深いことに、明治時代の初め、建築家と呼ばれる人はほとんど存在していないことを本で読み、西洋建築が急速に導入される中で、日本の建築は職人や大工の技術に依存していました。しかし時代が進むにつれ、今では世界で活躍する日本人建築家が登場し、国際的な評価を得るまでになりました。
例えば、安藤忠雄さんや隈研吾さんの建築は、日本の素材感や光の扱い、空間の余白の美学を世界に伝えています。これは、伝統的な日本建築の精神が現代のデザインにも生き続けている証拠なのかなと。
※もっとたくさん名前をあげたいですが割愛
日本建築とVOULOIR DESIGNの共通点

日本建築の奥ゆかしさや素材感を現代の暮らしに落とし込むことは、VOULOIR DESIGNの大切にしたい部分とも深く通じていくべきだと思っています。
・空間の余白を大切にする
・素材の質感を生かす
・光と影を計算して心地よさをつくる
これらはすべて、日本建築の思想から学べる要素です。私たちのデザインも、過去の知恵を尊重しながら、現代のライフスタイルに合わせて再解釈していきたいです。
こちらの記事を見ていただけると、より分かりやすいかと思います。
ONとOFFがほどよく共存する、上質な住まい – 横浜・片倉マンションリノベの記録
おわりに
日本建築の魅力は、単に“古い建物”にあるのではなく、素材や空間の繊細な調和、そして人の感覚に寄り添う思想にあります。
その美学は、現代のインテリアデザインにもしっかりと息づいており、VOULOIR DESIGNの中にもその精神をより大切にし、さらに現代らしい素材も組み合わせていきながらONとOFFの共存を目指していきます。
日本建築の奥ゆかしさを知ることは、私たちが暮らす空間の美しさや心地よさを再発見することにつながると思うので、さらに日本建築について追求していきたいです。