家づくりでいちばん誤解されているもの|光にお金をかける意味

こんにちは。VOULOIR DESIGN(ブルワールデザイン) アシスタントのくるみです。

家づくりやインテリアのご相談を受けていると、多くの方が同じような言葉を口にされます。

「照明は、とりあえず明るければいいですよね」
「最後に予算が余ったら考えようと思っています」

間取りや床材、キッチン、家具…ひとつひとつに悩み、時間をかけて選んできたのに、照明だけは「後でいいか」と無意識に脇へ置かれてしまう。でもその違和感こそが、住み始めてから「なんとなく落ち着かない」「思っていた雰囲気と違う」という感覚につながっているのではないかと感じることがあります。

家づくりの中で、いちばん誤解されているもの。それは、照明かもしれません。

今回は、イタリアの照明メーカーArtemide(アルテミデ)の新作を拝見するため、ショールームを訪れました。その体験を通して、「光にお金をかける」という選択が、暮らしの質をどのように変えていくのかを考えてみたいと思います。

またVOULOIR DESIGNでは、これまでにも照明の選び方についてお伝えしてきました。
あわせてこちらの記事もご覧ください。

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VOULOIR DESIGNの裏側:灯りが空間を決める!照明器具の選定
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VOULOIR DESIGNの裏側:灯りが空間を決める!照明器具の選定②



Artemideがつくっているのは「器具」ではなく「光の質」

アルテミデは、世界的に評価されているイタリアの照明ブランドです。
ただ形が美しい照明というだけではなく、心地よい光とは何かという問いに向き合っている照明メーカーの一つだと思います。


・眩しさを感じにくい配光
・必要な場所だけを、必要な分だけ照らすこと
・空間の雰囲気を壊さず、静かに輪郭を整える光


主張しすぎないデザインが多いのも、照明そのものを目立たせたいのではなく、光によって空間全体のバランスを整えたいという思想があるからだと感じます。


印象に残った照明たち

今回印象に残ったのは、どの照明も「置けば映えるオブジェ」で終わらず、使われる空間まで想像されているという点でした。

新作の「Zephyr(ゼファー)

ダイニング用のペンダントライトでよくあるのが、光が一点に集中してしまうという難点です。1灯タイプの照明では、テーブル中央だけが強く照らされ、端に座る人の手元は意外と暗くなってしまうことも少なくありません。

Zephyr(ゼファー)は見た目の美しさだけでなく、6つの光源がバランスよく配置されており、ダイニングテーブル全体をフラットに、均一に照らしてくれるつくりだと感じました。

Unterlinden(ウンターリンデン)」HPより

Unterlinden(ウンターリンデン)は、スタンドやペンダントなど多様なバリエーションを持つ照明ですが、中でも壁付けタイプは、今回とくに印象に残ったひとつでした。

特徴的なのは、紐を引くことで高さを調整できること。
空間全体をやさしく照らしたいときも、読書などで手元に光が欲しいときも、シーンに合わせて光の位置を変えることができます。また、アルミや真鍮でつくられた本体は、仕上げがひとつひとつ微妙に異なり、すべてが一点もの。工業製品でありながら、素材の表情や経年変化まで楽しめる照明だと感じました。

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「明るい=良い照明」ではないということ

住宅でよく見かける、天井一面のダウンライト。確かに明るさは確保できますが、それが必ずしも心地よさにつながるとは限りません。

照明には、空間の奥行きをつくり、視線を導き、気持ちを切り替える役割があります。

アルテミデの照明は、「照らすための光」ではなく空間を整えるための光だと強く感じました。

照明は「あとで考えられる」ものではない

照明は「住んでから替えればいい」と思われがちですが、
実際には配線や天井・壁の納まり、家具配置と深く関係します。

後から考えるほど、「ここには付けられない」「思っていた雰囲気にならない」というズレが生まれやすくなります。

照明こそ、間取りや素材と同じタイミングで考えるべきものだと、私たちは考えています。

照明にお金をかけるという選択について

照明にお金をかけることは、高価な器具をたくさん使うことではありません。本当に必要な場所に、質の良い光を、適切な数だけ配置すること。そうすることで、無駄な照明が減り、空間はむしろ静かでシンプルになります。

アルテミデの照明に触れ、照明は「最後の仕上げ」ではなく、暮らしの土台をつくる要素なのだと、改めて実感しました。もしこれから家づくりやインテリアを考えるなら、照明を後回しにせず、ぜひ最初の段階から一緒に考えてみてください。VOULOIR DESIGNでは、暮らしのイメージに寄り添いながら、空間全体を整える照明計画をご提案しています。

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