その一枚が、空間の“余白”になる。アートと空間のちょうどいい関係

こんにちは。VOULOIR DESIGN(ブルワールデザイン) アシスタントのくるみです。

なんとなく良いなと思う部屋には、静かに佇むアートが置かれていることが多いものです。けれど、“なぜそれがその空間にあるのか”をちゃんと説明できる人は、案外少ないかもしれません。


今回は、私たちVOULOIR DESIGNの事例の中から、アートが空間に与える余白や奥行き、そして選び方の考え方について、少しだけ書いてみたいと思います。


絵のある空間は「余白」がうまれる

上質な空間ほど、“余白”が計算されています。アートは、その余白を活かすための仕掛けでもあり、空間に深みを与える静かな「主張」でもあります。

例えばこちらのベッドルームに飾られた一枚のアートは、照明や造作の壁と共に、空間に深みを加えてくれました。リブ壁の縦のライン、クッションの濃淡。その流れの中に自然と溶け込みながらも、アートが静かにアクセントを添えてくれる。そんな存在になっています。

私たちがアートを選ぶときに意識しているのは、家具や壁面仕上げとのリレーションです。どんなに素敵な作品でも、そこだけが浮いてしまっては意味がありません。それと同時に色味、質感、そして空気感。それらが空間に“馴染む”だけでなく、ほんの少しだけ“ズラす”勇気も、アート選びには必要です。


ダイニングやリビングで映えるのは「奥行きのある絵」

照明計画がしっかりされたダイニングでは、光との相性がアートの印象を大きく左右します。

ペンダント照明の下に濃淡のある抽象画を合わせると、空間の“重心”が下がり、落ち着きのある食卓になります。ここでのポイントは、アートが壁紙や塗装では出せない「濃度」を与えてくれることです。

リビングの場合、テレビとの関係性や家具の高さを意識して、アートを水平ライン上に並べるのも一つの手。カウンター上に立てかけるスタイルも、カジュアルでおすすめです。


どう飾るかに、正解はひとつじゃない

アートは必ずしも額装された作品だけでなく、キャンバスパネルや写真、時には布や光のオブジェも選択肢に入ってきます。

空間のテーマやマテリアルに合わせて、「整いすぎない」ズレや、「曖昧な形」をあえて取り入れることで、ラグジュアリーな空間にも軽やかさや“遊び”を加えることができます。

アートの正解は一つではありません。けれど、“空間のために選ぶ”という視点は、暮らしに寄り添うインテリアづくりにおいてとても大切だと感じています。


アートを起点に、空間をつくる



「このアートを飾りたい」——そんなふうに、お客様が先に好きな作品を見つけている場合もあります。
そんな時、私たちはアートに使われている色や素材感、与える印象からインスピレーションを広げ、空間全体を構成していきます。

たとえば、淡いブルーグレーのアートなら、壁面を白にしてアートを引き立てつつ、クッションなどのファブリックやラグで同系色をにじませる。フレームの素材に合わせて、金属や木のトーンをリンクさせる。そんな風に、アートを“主軸”にしながら空間を設計していくことも可能です。

アートがある空間には、余韻が残る

アートは空間の主役になることもあれば、ただそっと寄り添って、場の空気を整えるような存在にもなります。大切なのは、その空間に流れる空気や気配を感じながら、自然と合うものを選んでいくこと

VOULOIR DESIGNでは、ふと目に入ったときに「あ、いいな」と心が少しだけ動くような、そんな一枚をお客様の感性に寄り添ってお選びしています。

暮らしの余白を、美しく、やさしく彩るアート。
あなたの空間にも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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