お風呂を超えてー暮らしをデザインする造作浴室

こんにちは。VOULOIR DESIGN(ブルワールデザイン) アシスタントのくるみです。

先日、オーダーメイドバスルームブランド BAINCOUTURE(バンクチュール) の見学をしてきました。ここには様々な造作浴室の展示があるのですが、お風呂を単なる「箱」としてではなく、暮らしの動線やシーンの一部として計画されているのがユニークなショールームだったのでぜひこの体験をシェアしたいと思います。


まずショールームに入ると、入り口横にはキッチンカウンターを模した受付があり、その前にソファなどのリビング空間があります。その先に広がる浴室たちは“暮らし”を思わせるつくり。キッチンやリビングに自然につながる雰囲気で、体験のはじまりから浴室を生活の延長として意識させてくれます。

ここからはブランドの紹介や造作浴室の工法の違い、実際の素材感などに詳しく説明していきます。

BAINCOUTURE(バンクチュール)HPより 東京ショールームエントランス


「BAINCOUTURE」の意味


「BAIN(フランス語でバス)」+「COUTURE(仕立て)」を掛け合わせた造語で、“一人ひとりの暮らしに仕立てるバス空間” を意味します。
ユニットバスメーカーであるNIKKOが立ち上げたブランドで、浴室を単なる水回りではなく住まいの中心となるリビングのような存在へと進化させていきたいのではという意図を感じます。

施工例としては、トレーニングルームの隣に浴室を配置したり、洗面所やドレッシングルームと連続的につなげたりするケースが多く見られます。入浴という行為そのものではなく、入浴前後の時間を含めた“暮らし方”をデザインしているブランドだと感じました。

BAINCOUTURE(バンクチュール) HPより シームレスに繋がる洗面と浴室

在来工法とユニットバスの違い

造作浴室というと、昔ながらの在来工法を思い浮かべる方も多いかもしれません。

実際私もショールームにお邪魔する前はBAINCOUTURE(バンクチュール)は在来工法の会社だと思っていました。

  • 在来工法:自由度が高く、石・木・タイルなど好みの素材を選べる一方、防水性能や施工精度は職人の腕に大きく左右される。
  • ユニットバス:防水性・保温性に優れ、工期が短く、施工誤差が少ない。ただしデザインや素材の自由度は低め。



BAINCOUTUREはその両方のメリットを取り入れたスタイル。ユニットバスの安心感をベースにしながら、在来工法のように素材やデザインを自由に選べるため、「デザイン性 × 機能性」を兼ね備えています。

浴室は長期的に見て、水漏れなどを防ぐメンテナンス性が非常に重要な空間です。

実際にバンクチュールで最初に受けた説明も、このユニットバスの工法についてでした。デザイン性だけでなく、そうした安心面を重視している点に強い好感を持ちました。

実際に見て触れて感じたこと

  • 素材と肌あたり

ショールームには数々の浴室がありますが、特に印象的だったのは御影石の浴室でした。石にはさまざまな磨き方がありますが、水磨きと呼ばれる仕上げが施されており、手で触れると驚くほど滑らかで、ほんのり冷たさが心地よく、ホテルスパのような非日常感が広がります。本磨きとの違いは、実際に触れてみないとわからないものです。


一方で、檜(ひのき)の壁やベンチは、香りの豊かさと温かみが魅力的。天然素材ということで長年使うとカビなど生えるのでは、、、と思っていたのですが、意外と10年以上メンテナンスしていないケースも多いそう。また鉋で削れば新品同様に蘇り、隙間も埋め直すことができるそうです。

御影石の浴槽と檜の縁

  • 光の演出

照明の工夫も印象的でした。間接照明が石や木をやさしく照らし出し、空間に立体感を与えます。昼は自然光で素材の素顔を楽しみ、夜は照明による演出で非日常を味わえる─まさに「二面性を持つ浴室」。ダウンライトも最近はグレアレスしか提案していないとのことでした。

  • いろんなニッチのデザイン

ショールームには多様なニッチがありました。これがまたデザインの見どころ。

シャンプーニッチ:ボトル類をすっきり収め、掃除もしやすい。

アートニッチ:花やアロマを置けば、バス空間がギャラリーのように。

照明付きニッチ:夜にはやわらかく光り、ラグジュアリー感を演出。


素材やサイズ、照明の有無によって雰囲気がガラリと変わり、「浴室での過ごし方」がデザインされていると感じました。

メンテナンスも大事な要素

造作浴室は見た目が華やかですが、素材に合わせたケアが不可欠とのこと。

  • 御影石:水染みが出やすく、滑りやすさもあるため定期的な拭き上げや防水処理が必要。
  • :色味が変わったりヤニが出ることもあるが、削る・埋めることで再生可能。


「ずっと新品であり続ける」のではなく、メンテナンスを重ねながら経年変化を楽しむのも、造作浴室の醍醐味。


入浴を含めた“新しい過ごし方”を創る

今回の体験で強く感じたのは、BAINCOUTURE(バンクチュール)のコンセプトが、浴室を単なる箱(バスルーム)としてではなく、入浴前後の時間や空間を含めた自宅での“新しい過ごし方”を創り出しているということ。御影石の重厚感、檜のやわらかさ、光とニッチの演出……どれもが「自分らしい暮らしに仕立てられた空間」として心に残りました。

人によってはかなり長い時間を過ごす浴室。自宅に取り入れる際は、設計段階で「素材の肌あたり」「光の演出」「収納やニッチの使い方」をじっくり検討することが大切です。

これから浴室を検討される方にとっても、“浴室という空間をどう使いたいか”という視点を持つことで、より自分らしい暮らしに近づけるのではないでしょうか。

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