【インテリアデザイナーの仕事】苦しかった2025年の振り返り|VOULOIR DESIGN

こんにちは。VOULOIR DESIGN(ブルワールデザイン)のあおいです。
フリーランスのインテリアデザイナーとして仕事を続けてきた中で、2025年は「苦しかった」と言い切れる一年でした。

とにかくあっという間の一年だったので、BLOGで振り返りながら、自分の頭の中を整理したいと思います。仕事の振り返りについては、くるみさんがまとめてくれているので、よろしければこちらをご覧ください。

VOULOIR DESIGN
アシスタントとして見た、VOULOIR DESIGNの一年|2025



インテリアデザイナーとして痛感した知識不足

今年は、自分の中で「知識の少なさ」を強く実感した一年だったと思います。
初めて経験することばかりで、今振り返れば良い経験だったと思えるのですが、当時は食事もあまり取れないほど、日々精神的に追い込まれていました。

とはいえ、フリーランス10年目。
ここまで来る道のりも、毎回七転び八起きで、匍匐前進のように進んできました。その積み重ねがあったからこそ、以前よりも気持ちの切り替えができるようになり、自分の至らなさにきちんと目を向けることができたのだと思います。また、現場では本当に多くの方々に助けていただきました。

だからこそ、来年以降、私が請け負う仕事では、関わってくださる全員が気持ちよく仕事ができる環境をつくることを、これまで以上に大切にしていきたいと強く感じています。

そして何より、クライアントの方と一緒に「いい空間」を築いていくために、デザインだけでなく、それ以外の部分も含めて、日々精進していかなければいけないと感じた一年でした。


自分のスタイルを見直すことの重要性

インドのお客様|ダイニングルームパース


今年は海外のお客様が非常に多く、全プロジェクトの半数以上を占めていました。
その中で衝撃だったのが、「自分の提案スタイルが通用しない場面があったこと」です。
もちろん人にもよりますが、よりスピード感を求められるケースが多く、これまで一度もやったことのない提案方法で、納品まで進んだ案件もいくつかありました。
これまでも、お客様やコンセプトによって提案スタイルを変えることはありましたが、海外のお客様から「自国ではこういう進め方をする」という話を直接聞けたことは、とても興味深い経験でした。
最初は正直戸惑いましたが、結果的に提案のレパートリーが増え、今ではお客様に合わせて新しい提案方法を選択できるようになったと感じています。
振り返ると、とても良い機会に恵まれた一年だったと思います。

知ってもらうことの大切さ

私は正直、SNS発信が得意ではありません。苦手というより、「自分のスタイルを崩したくない」という、少し変なプライドがあるのかもしれません。ただ最近は、フォロワー数をきっかけに仕事につながる機会が増えていることや、海外のお客様の場合、フォロワー数を重視されることも多いと聞くようになりました。

ここ2年ほどでターゲット層を見直し、ペルソナを変えてきたことで、少しずつ理想に近づいている実感はあります。

一方で、「知ってもらうことの大切さ」も、同時に視野に入れていくべきだと感じるようになりました。というのも、知っている業者さんが多いほど選択肢が増え、お客様や現場に合わせて最適なチームを組むことができます。もちろん紹介がいちばん安心で信頼できる方法ですが、そもそも「どんな業者がいるのか」「何が得意なのか」を知っていなければ、選択肢にもなりません。そう考えると、私自身も誰かの選択肢のひとつとして知ってもらうことは、決して無駄ではないのではないかと思うようになりました。

ただし、自分の軸はぶらさない。
自分が「ダサい」と感じることはやらない。
その意味では、やはり変なプライドかもしれませんが、できる限りその方向性で進んでいけたらと思っています。

日本は選択肢が少ない

NY | ROMAN AND WILLIAMS


中国の不動産関係の方やお客様から、「日本はインテリアの選択肢がかなり少ない」と言われたことがありました。正直、それまではあまり疑問に思っていませんでした。クオリティの高いものは時間がかかる。納期が3〜6ヶ月かかるのも「普通」だと、私自身ずっと思っていました。一方で、中国や韓国では、ある程度クオリティが担保された家具でも、数日〜1ヶ月ほどで届くものが多いそうです。


特に中国は工場が多く、家具メーカーの数も豊富で、デザインや品質も一定水準以上のものが多いため、選択肢が非常に広いと聞きました。ラグジュアリー家具メーカーを除くと、日本は中間層、もしくはそれより少し上の価格帯のメーカーが少ないのかもしれない、と感じています。これは中国や韓国に限った話ではなく、海外では「インテリア」が日本よりも生活に近い存在であると、私自身、旅行を通して感じることが多くあります。

価格帯もラグジュアリーほど高くなく、BoConceptより少し上くらいのショップや、もう少し手に取りやすい価格帯のお店が、日本より多い印象です。納期に1年ほど余裕がある案件であれば問題ありませんが、2〜4ヶ月となると選択肢は自然と限られ、すべて造作にすると予算も上がってしまいます。この点は、2025年、とても悩ましいテーマでした。

私自身が、もっと多くのメーカーを知るべきでもあります。
来年はその点も意識しながら、メーカー探しを並行して進めていきたいと思っています。

期待以上の完成度と、安心感

一年を通してとても苦しい時間が続いた中で、心から嬉しい瞬間もありました。実際にお客様からいただいたお言葉です。

「この度は、本当にありがとうございました。私の期待をはるかに超える素晴らしい成果に、胸がいっぱいです。長い時間をかけて真摯に考え、私の話に耳を傾けてくださったことに心より感謝申し上げます。私の想いや考えを、このように形にしてくださったことが、何よりも嬉しいです。」

初回の打ち合わせから納品まで、およそ11ヶ月。ほぼ毎日のように連絡を取り合っていたように思います。賃貸マンションにお住まいのお客様で、造作のソファをご提案しました。
カフェのような、やわらかくアールを描いたソファです。

ご要望を丁寧に伺いながら、日々の生活動線、ご家族それぞれの過ごし方、そして限られた条件の中で、どう解決し、どうデザインに落とし込んでいくのか。とても難しく、そしてとても楽しい仕事のひとつでした。


VOULOIR DESIGNのロゴをつくったとき、「真摯に、地に足をつけて一歩ずつ」という意味を込めていたので、この感想をいただいたとき、その想いが少し実現できたような気がしました。

自分で仕事をしていくうえで、いちばん大切なのはやはり「信頼を築くこと」だと思っています。そのために、特別なことをするのではなく、当たり前のことを、当たり前に、丁寧に積み重ねていくこと。「真摯に、地に足をつけて一歩ずつ」進むことの大切さを、改めて実感しました。

また別のお客様からは、「あおいさんが入ってくれることで、デザインについては安心してお任せできます」というお言葉を、直筆のお手紙でいただいたこともあり、その一言一言が、苦しかった一年を支えてくれた、大切な記憶です。


おわりに

振り返ると、今年はとても苦しい一年でした。同時に、これまでになかった経験や学びを重ねることができた、濃い一年でもあったと思います。うまくいかないことや、自分の未熟さに向き合う場面も多くありましたが、だからこそ「真摯に、一つずつ向き合うこと」の大切さを、改めて実感しました。

近道を探すよりも、地に足をつけて積み重ねていくこと。
それが結局、いちばん遠くまで行ける方法なのだと思います。

来年は、ただ依頼を待つのではなく、自分が本当に受けたい仕事を、自分でつくっていく一年にしたいと考えています。

古き良きものを活かしながら、今の暮らしに寄り添うこと。時間とともに味わいが増し、住まう人の人生に静かに寄り添うインテリアを、より丁寧に形にしていきたいです。

そのために、新しいことにも挑戦していきます。
変わらない軸を大切にしながら、必要な変化を恐れず、一歩ずつ。

来年もまた、真摯に、地に足をつけて。
VOULOIR DESIGNらしい仕事を、積み重ねていけたらと思います。

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